上司が萎縮しないパワハラ対策 ―パワハラ新法への上手な対応―
本, 加藤 貴之
によって 加藤 貴之
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内容紹介 防止措置の義務化で、会社対応待ったナシ‼ ●「パワハラ」と「適正な指導」はココが違う! ●「一方的」がすべてのハラスメントのキーワード ●米軍も採用するパワハラ防止対策とは セクハラやマタハラにつづき、パワハラ防止が企業に義務づけられる。 5月29日、労働施策総合推進法等の改正法案が参議院で可決成立。 大企業は公布日から1年以内、中小企業は3年以内に施行される。 パワハラとは「優越的な関係を背景とした言動で、業務上相当な範囲を超えているもの」と定義される。 上司による暴力行為は言うまでもなく、暴言、人間関係の切り離し、過大なノルマの設定、 過少な要求(草むしりなど)、家族への攻撃などが含まれる。 企業は今後パワハラ対策を強化しなければならないが、 一方で、上司が萎縮するのではないかという点が、企業側の最大の懸念である。 企業は管理職研修を求められるが、管理職にパワハラについての理解を深めてもらうとともに、 「指導の萎縮を防ぐ方法」を知りたいというニーズが強い。 本書では、その処方箋を解説する。 目次 序 章 なぜ理解が進まず、指導の萎縮が起こるのか ✸パワハラ防止が法制化され、対策の強化が求められている ✸パワハラ防止の入り口は、「関心」を高めてもらうことから ✸叱られるのが怖くて、ミスを隠してしまう人がいる ✸NASAのハッブル宇宙望遠鏡とハラスメントの関係は✸パワハラは、部下から上司への「情報の流れ」を止めてしまう ✸「したほうがよいこと」から始めるとやりやすい ✸なぜ、多くの上司が萎縮してしまうのか✸パワハラは、「個人要因」だけでなく「組織要因」も大きい ✸パワハラの真の予防には、「指導相談」が重要 第1章 「パワーハラスメント」とは何か ✸人間関係ができていれば、「パワハラされた」とは言われにくい ✸「いじり」は、本当に相手に受け入れられているのか✸「一方的なコミュニケーション」がパワハラにつながる ✸お互いが言い合う場合は、「喧嘩」とみなされることも ✸裁判例、労災裁決でも「一方的」はキーワードの1つ ✸セクハラ、マタハラも「一方的」という要素を持っている ✸「一方的」は、あらゆる人間関係のトラブルにつながる ✸「優越性」があると、「一方的」になりやすい ✸パワハラは「3つの要素」で判断される ✸「精神的苦痛」だけで、パワハラになるわけではない ✸被害を受けた人の「攻撃性心理」も見落とすことはできない ✸「パワハラかどうか」より「より良いマネジメントはないか」を考える ✸「置き換えテスト」を使うと、判断しやすくなる ✸「繰り返し」は、ハラスメントの大きな要素になる ✸ハラスメントは「キャリア・キラー」になり得る 第2章 パワハラで、「リスク情報」が上に伝わらなくなる ✸パワハラは、「下から上への情報伝達」を減らす ✸上に情報を伝えられず、死亡事故につながった例も ✸「上方向の情報伝達」が、上司の判断力を高める ✸不祥事の多くは、トップや本社にまで情報が伝わっていない ✸パワハラ防止を通じて、「風通しの良い職場」をつくる ✸企業組織に起こっている「エコノミークラス症候群」に気をつける ✸「悪い情報」を上げさせた、コマツの名経営者・坂根正弘氏 ✸「悪い情報」は、幹部にとって最も重要な情報 第3章 経営者が知っておいたほうがよいこと ✸パワハラ的な上司のほうが業績を伸ばしてしまう✸パワハラ対策で、短期的には現場の業績が「下がる」ことを我慢する ✸トップが「ハラスメント防止会議」に出ることが抑止力になる ✸トップの「本気度」が伝わるメッセージを発信する ✸いまや、軍隊のほうがパワハラ防止に厳しく取り組む時代 ✸パワハラが起こる軍隊では、国家を防衛できなくなった ✸パワハラ的なリーダーには、肝心な場面で、部下が付いていかない ✸SNS時代は「デジタル反乱」も起こりやすくなっている ✸SNS時代に、経営者が企業を守るために 第4章 人事部門はどう対応すればよいか ✸「経営者の支援」を得ることが最重要事項 ✸やるべきメニューは多いため、重要なことからやっていく ✸多くの企業は何に取り組んでいるのか✸パワハラ対策をすると、どんな効果があるのか✸ルールの明確化をし、社員には「ルール確認」をしてもらう ✸アンケート、ヒアリングは、「抑止効果」も持っている ✸「あってはならないこと」と伝えるだけでは、副作用も起こる ✸「現状」から、少しずつステップアップさせていく ✸厚生労働省の情報だけでなく、人事院の情報も確認しておく ✸社員向け研修は「人事院運用通知」をベースにする ✸研修では「関心と理解」を深めてもらうことが大事 ✸「一般社員向け研修」は、管理職の萎縮を防ぐためにも重要 ✸研修効果を持続させるために、定期的にリマインドしてもらう ✸「人事院運用通知」を相談対応マニュアルにする ✸被害者の相談は、事務的対応ではなく「感情配慮」が最優先 ✸行為者ヒアリングをする窓口担当者のケアも大切 ✸「不適切さを認めてもらうための方法」が、今後の検討課題になる 第5章 パワハラにならない「指導法」 ✸指導を萎縮しないためには、人間関係をつくっておく ✸「話を聞いて、指導する」が最もシンプルな方法 ✸「ジャスト・ライク・ミー・シンドローム」に気をつける ✸「質問型マネジメント」を利用する ✸管理とは、上方向の「情報の流れ」をつくること ✸飲み会が少ない時代には、仕事時間内に部下の話を聞く時間をつくる ✸「聞き上手」の上司には、情報が集まってくる ✸インテルの「ワン・オン・ワン」、グーグルの「3週間ルール」 ✸「過大な要求」に見合った「支援」をすればよい 第6章 パワハラで気をつける「叱り方」 ✸仕事のできる人ほど、「叱り方」に気をつける ✸叱っている理由がわかるように、叱ることが大事 ✸「人格を否定する叱責」はパワハラになる ✸「アクションを伴う感情的な叱責」はパワハラになる ✸「長時間の叱責」は極めてリスクが高い ✸見せしめのような叱り方は、相手を追い込んでしまう ✸会議で怒声を浴びせて叱ることも、リスクが高い ✸会議で叱らないのは、時間を有効活用するため ✸松下幸之助氏は、「叱った後」を大事にしていた 第7章 指導に悩みはつきもの、誰かに「相談」してみる ✸パワハラと言われるのが心配な人は、「指導記録」をつけておく ✸部下や後輩の指導で悩んだら、誰かに「相談」をする ✸指導する側の若い人も、指導される側の若い人も悩んでいる ✸パワハラは、「指導相談」によって早期介入ができる ✸経営者・管理職も、困った部下がいたら、誰かに「相談」する 内容(「BOOK」データベースより) パワハラ新法への上手な対応。パワハラをなくし「風通しの良い職場」を実現するためのノウハウが満載! 著者について 加藤 貴之〔かとう・たかゆき〕 1962年生。早稲田大学卒。米経済誌『フォーブス』日本版編集部勤務後、 情報サイト「ストレスケア・コム」設立。 日本産業カウンセリングセンターコンサルタントを経て、 2000年から(株)メンティグループ代表取締役コンサルタント。 「組織コミュニケーション」の観点から企業・官公庁のパワハラ対策に携わり、 1万人を超える人にパワハラ研修を行う。 著書:『ストレス解消ハンドブック』(PHP研究所) 監修ビデオ:『メンタルケアの聞く技術』『セクハラ相談 加害者ヒアリングの進め方』(以上、日本経済新聞出版社)、 『メンタルヘルスケア実践のポイント』(PHP研究所)。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 加藤/貴之 1962年生。早稲田大学卒。(株)ぎょうせい入社後、米経済誌『フォーブス』日本版編集部勤務。働く人のストレスに問題意識を持ち、96年に退職し情報サイト「ストレスケア・コム」設立。日本産業カウンセリングセンターコンサルタントを経て、2000年から(株)メンティグループ代表取締役コンサルタント。企業・官公庁のパワハラ対策に携わり、1万人を超える人にパワハラ研修を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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上司が萎縮しないパワハラ対策 ―パワハラ新法への上手な対応―を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
パワハラを心理的な面のみならず、構造的な問題として、人事や組織マネジメントの視点から分析されている所が新鮮でした。パワハラは「個人の資質の問題」とされがちですが、「組織の問題」として捉えることで、防止策も具体的に講じられるようになることが分かりました。また、「一方的」な関係は、あらゆる場でのトラブルにつながりやすいため、相互コミュニケーションが大事なことや、情報とコミュニケーションが組織づくりにおいていかに大切であるかなど、組織論・経営論にも通じる解説も納得です。パワハラ防止が法制化され、2020年から事業主や従業員一人ひとりにも責務が課されます。企業に求められていることや対策など、具体的な取り組み事例も段階ごとに分かりやすく説明されており、人事労務担当はもちろんのこと、経営者・管理職にある方は必読の良書です。
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