長谷川聡子遺作写真集「女人・石の仏」―死ぬこともすばらしくありたい
本, 柳田 邦男
によって 柳田 邦男
4.8 5つ星のうち 3 人の読者
ファイルサイズ : 22.82 MB
内容(「BOOK」データベースより)本書は、たんに石仏の写真を集めて解説をそえた本ではない。本書は正しく「人生の完結」とは何かを教えてくれる書であり、医のあり方を根源的に問いかける書である。内容(「MARC」データベースより)末期の癌におかされた体をおして撮影されたお地蔵さんや観音様。その写真には、一人の人間の人生の終わる姿と、それに立ち会った人の決断とが重なってくる。86年刊の増補。
以下は、長谷川聡子遺作写真集「女人・石の仏」―死ぬこともすばらしくありたいに関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
本のタイトルと残雪の峠に佇む石仏の表紙に惹かれてこの写真集を手にしました。写真を鑑賞し添えられた小文を読み、柳田邦男さんの文と「あとがき」を読み、読み返すことで、タイトルの意味が心の深層に響いています。石の仏に、女人を見出だしそこに著者が己の人生と深奥の想いを重ね合わせています。石の仏と著者の想いの関わりを、添えられた小文と写真を重ねることで、味わうことができました。私が好きになった石仏は、(小文の見出しでいえば、)花園にあそぶ、上界戸の母子像、花冠の佳人、大らかな上州菩薩マリア観音、埋もれいく如意輪、娘馬頭尊、琵琶を奏でる菩薩二十一面観音、期待、女人変化'T・'U、子育地蔵、母親のようにです。「古き石仏たちの多くは、心のみを残して、もとの石にかえろうとしている。」「五百体石仏群」の末尾の文に心ひかれています。写真集の石の仏と現地で対話してみたいと夢想しています。いつかきっと。
0コメント