【稀少復刻版】菊池寛「大衆明治史(全:国民版)」ーGHQ発禁の明治近代化史 (響林社文庫)
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【復刻版の原本】 この電子書籍は、以下の書籍の版面を複写し、シミ、ヤケ、活字のかすれ等をできるかぎり修正し、読みやすくした復刻版です(版面固定型)。 菊池寛「大衆明治史 国民版」(汎用社 昭和17年10月8日発行)※ 端末によって見え方が異なる場合があるほか、復刻版の版面イメージの確認のためにも、無料サンプルをダウンロードし、確認の上でご購入下さい。なるべく大画面のタブレット、パソコン等でご覧になることをお勧めします。【解説】 菊池寛が明治近代化の歴史を生き生きと描いた通史的物語で、その筆致は人物を存分に描いており、とても魅力的です。 内容はよく知られている事件、歴史をわかりやすく描いています。ところが、なぜか本書は、第二次大戦後に、占領軍GHQによって発禁図書となってしまいました。占領下、7千冊以上の戦前・戦中の書物が没収されたと言いますが、大衆小説家の菊池寛の著作が発禁とは驚く話です。 菊池は、「太平洋戦争中、文芸銃後運動を発案し、翼賛運動の一翼を担ったために、戦後は公職追放の憂き目にあい失意のうちに没した。」(ウィキペディア)とありますから、そういう菊池の著作だから、ということでしょうか。今から見れば、こういう著作が発禁処分とは大きな違和感を感じます。 菊池寛は、市販されている著作はごくわずかで、膨大な著作群があります。その中で歴史物語は、人物に着目して描いているために、実にわかりやすく、かつ魅力的です。「日本歴史物語全集」や「大衆維新史読本」などは日本の通史を生き生きと描いている素晴らしいシリーズですが、この「大衆明治史」もそれに連なるすぐれた歴史物語です。これらの著作群が現在では市販されていないのは残念な限りですが、響林社文庫シリーズで、順次、電子書籍の形で復刻本として発刊しつつあります。 この「大衆明治史」については、西尾幹二氏が、YouTubeで「GHQ焚書図書開封 第32回」で内容と魅力を紹介しておられます。50分間ですが、熱く語っていてわかりやすいのでお薦めです。 http://www.youtube.com/watch?v=lflxx0F7YlU 【本書籍について】 本書籍は、「国民版」といって1冊にまとめられたものですが、別途、2冊に分かれていて総ルビがついた版も昭和16年に発刊されています。しかし、入手は困難で、国会図書館近代デジタルライブラリーでも、下巻しか収録されていません(響林社文庫に収録)。この国民版は、そういう意味で全部を収録した貴重な書籍ですが、市中ではほとんど入手が難しく、戦時中の発行だけに、茶褐色への変色の度合いが激しい状態です。響林社文庫では、それを入手の上、脱色をしてできるだけ読みやすいように加工してお届けしています。
以下は、【稀少復刻版】菊池寛「大衆明治史(全:国民版)」ーGHQ発禁の明治近代化史 (響林社文庫)に関する最も有用なレビューの一部です。 この本を購入する/読むことを決定する前にこれを検討することができます。
この本は明治も政治から見たもの。学校で教わらなかった西郷隆盛が廃仏毀釈に不満だったとか、大韓帝国から日本に亡命した金玉均が日本政府の命令で北海道に住まねばならなかったとき本因坊秀栄が同情して数ヶ月も札幌で共に生活したなどは本書で初めて知った。廃藩置県で明治を語り始め、武士階級が困惑したことや藩閥政治と政党政治が政治の舵取りであらそったことは70年余前の高校日本史教科書にもあったが、国会開設運動や憲法発布などはあっても征韓論を皮切りに、徳富蘇峰の征清の意義などは、私が習った日本史教科書にはなかった。朝鮮半島が地形上、日本列島の脇腹に短刀を当てたようなものという菊池寛の文章は蘇峰と同じ意味である。本書は明治史と題うっているが、まさしく征韓論から日清日露戦をいかに日本が戦ったかという戦史である。とくに日露戦争に必要な戦費についての言及があるのはこの本の救い。キンドル本には日清日露戦争を扱ったものがかなりある。ご参考までに。日本列島の脇腹に擬した短刀の意味合いはいつまた明瞭に意識にのぼることか。
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