グラハム・ベル空白の12日間の謎
本, セス・シュルマン
によって セス・シュルマン
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内容紹介 電話発明者をベルとする従来の電話特許史をくつがえす、新たに公開されたベルの研究ノート。ノートの解読、特許裁判での証言の詳細な解析と推理で電話特許の謎に挑んだポピュラーサイエンス読み物です。従来、アレクサンダー・グラハム・ベルが数時間の差でイライシャ・グレイよりも先に特許を出願し、発明者と認められてきたが、実はベルはグレイの出願日時を事前に知っていたとか、グレイの出願書類のコピーにより送話器の課題を克服したとかの、新しい事実の可能性を推理します。 これまで公開が制限されてきたベルの研究ノートによると、ベルは申請後もさまざまな試作機で実験を繰り返したがすべて失敗。それが2月26日から3月7日までのワシントン訪問後、突然、発明に成功しました。この発明品はグレイの特許申請書類にあった電話機のスケッチと酷似しており、長年、疑念が持たれる原因となってきました。著者は、ベルがワシントン訪問の際、後援者の弁護士らの協力で書類をのぞき見たとします。その証拠として、研究ノートに残された電話機の図が走り書きで、発明の具体的な経過がノートに記されていない上、ベルも経緯を明らかにしなかったことなどを挙げています。研究ノートの2月25日から3月7日のあいだの12日間の空白に秘められた謎を追いかけるノンフィクションミステリーです。 内容(「BOOK」データベースより) 電話発明者をベルとする従来の電話特許史をくつがえす、新たに公開されたベルの「研究ノート」。ノートの解読、特許裁判での証言の詳細な解析と推理で電話特許の謎に挑むノンフィクションミステリー。ワシントン・ポスト紙批評家選定本(2008年)。 商品の説明をすべて表示する
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MITのキャンパスの西端のWestGateなるアパートで1960年代に学生生活を送った者として、その後近くに出来たらしいディブナー研究所で2004-2005年の一年間過ごした著者への親近感もあって懐かしく読み終えた。先願制度でなく先発明制度であるUSAで何故、Bellの方が2時間早かったと言う論理が成立するのか不思議に思っていたが、後ろに政界に顔の利く特許と金儲けに長けた弁護士の存在で納得がいった。Bellの研究日誌が1990年にデジタル化された結果、著者が疑問点を発見した経緯はインターネットでの資料公開の意義を知る上の好例である。NationalGeographicが保管していた数十年間には閲覧したのは一名だった由。BellやGrayに先立つこと10年も前にドイツのライスは特許を取らなかったが、Bellの義父は早くから電話のアイデアを投資対象と考えて、特許庁の次長、審査官を買収し、Grayの特許内容をBellに見せたのは事実らしい。当時は、多重送信の方が必要度が高かったので、電話の特許係争でGrayは比較的軽視していたのも実情のようだ。その後の電話の実用化にはEdisonの改良発明も絡んでいるので、電話の実用化に関してはBell一人の功績ではないのは実情。機械の特許であるから、ポイントの構造や原理が多少でも違えば別物と判定されるのが普通であるから。米国の先発明制度は曲者で、その証拠の論争で百年戦争と言われている特許紛争もあるそうである。興味深い書物である。ヂブナー研究所は短期間で閉鎖になったようで残念。
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